BattleShipGame 5×5における定跡
はじめに
今回はこのゲームのルールは把握したが、どうやってやれば勝てるようになるのか、まだ自信のない方向けに初期設定で指定されている5×5パネルのマップでの戦い方を検討したいと思います。基本的には当サイトでも体験版を頒布している「BattleShipGame」で採用されている標準的なルールでの話になりますが、紙と鉛筆でプレイする古典的な海戦ゲーム(戦艦ゲーム)でも当てはまることはあります。
なお、今回の文章は執筆者個人の考えに基づくものであり、当サークルを代表するものではありません。もちろん対戦相手の情報が一切ない状態で始まるゲームですので、ここで紹介する考え方・やり方が絶対正しいとはかぎりません(確率論的にに誤りがあるようでしたら、やんわりご指摘いただけると幸いです)。
改版履歴
Ver0.01 2018/1/8
- 前半部分を仮公開
目次
このゲームは不完全情報ゲームであり、(とくに狭いゲームマップでは)運が関係してくる場合もありますが、5×5のマップでは比較的定跡と呼べるようなものがあります。初期設定での5×5パネルのマップは慣れていないと広いように思えますが、じつは意外と狭いです。
1. 艦隊編成(艦種選択)の基本方針
艦隊編成(艦種選択)は、特定のピーキーな編成でなければ、それなりに戦いようはあります。ですが、ここでは初心者向けの、いわば無難な方針をご紹介したいと思います。
あまり慣れていない方、または記憶力に自信のない方は、を中心として艦隊を編成するのがおすすめです。例えば、を2隻に、またはを1隻といった感じです。は基本的には選択しません。5×5の標準ルールではが必要になるような状況はあまりなく、攻撃に使える艦がひとつ減ることのデメリットが大きいためです。
は基本的にマップが狭いほど強力になります(じつは3×3の最小サイズだと以外を選ぶメリットがほぼないくらいです)。これは近接攻撃(通常の攻撃コマンド)だけでも、初期配置を工夫すれば、マップのおおよその範囲をカバーできるので、移動の必要性がそれほどではないこと、加えてHPの高さによる打たれ強さが戦いに安定感を与えるからです。反対に広いほど、移動にかかるFPのコストが大きいこと、そして近接攻撃しかできないことのデメリットが大きくなるので、まったく使えないほど弱いわけではないのですが、運用は難しくなります。
5×5程度であれば、だけの艦隊でも十分に戦えないことはないのですが、だけで攻撃範囲を確保するには5×5はちょっとだけ広すぎるので、またはを入れておくほうが何かと戦いやすい局面は多いと個人的には思います。
なお、慣れてきたらを中心とする編成でなくとも、大丈夫だと思います。を1隻も入れなくても、十分に戦えるようになります。ただしだけの艦隊は使いこなしが難しいので、あまり積極的にはおすすめしません。最初に述べたピーキーな編成の具体例がだけの艦隊です。自体は十分強力で便利な艦ですが、攻撃に必要なFPのコストが高くFPの消費がどうしても激しくなりがちです。加えてFPがなくなったときに沈没してしまう場合があるなど、燃料切れの際のリスクも大きいです。このため有利に戦局を進めても勝ちきるのがなかなか難しかったりします。またHPが1だけのため何らかのアクシデントで沈没するリスクもあります。運によって戦局を左右されやすくなり、安定感を欠くことになります(ちなみに対人戦でアクシデントを起こして盛り上がるには、だけの艦隊はうってつけです)。
ばかりで編成するのは、もちろん論外です。
2. 艦の初期配置の基本方針
まずマップのサイズ関わらない一般的な方針として、
「自艦はそれぞれ適度に離して配置する(は除く)」
というのがあります。
あまり近くに複数の艦を配置すると、相手からの一度の攻撃で複数の艦の居場所を知られてしまうリスクがあります。この点は状況によっては有利に働くこともあります。しかしもうひとつデメリットがあり、それは自艦が攻撃(索敵)できる範囲が狭くなってしまうことです。このゲームでは、移動と攻撃をひとつの手番の中で同時に行なうことはできない上、移動も攻撃と同様にFPを消費するので、極力移動しないで済ますほうが望ましいです。しかしながら、それぞれの艦の配置が近付きすぎると、攻撃できる範囲が複数の艦で重複してしまい、その分攻撃(索敵)できる範囲は狭くなります。このデメリットの影響は、マップ自体がそれほど広くない場合ほどより大きくなります。この点は「1. 艦種選択の基本方針」でが狭いマップほど強力になる理由として挙げたように、狭いマップほど初期配置の工夫で十分な範囲をカバーできるためです。つまり、狭いマップであるほど、移動が必要な事態になることを少なくすることが重要です。
ただし、ただ単に距離を離せばよいというものでもありません。当然運が絡む要素でもあるので、つねにこの方針で勝てるとはかぎりません。このあたりの極意については、話が本題から逸れすぎてしまうので、また別の機会に譲ります。
もうひとつの基本方針ですが、これはほぼ5×5のマップ(あるいはそれに近いマップサイズ)に特有のものになります。
5×5のマップでは、配置できる箇所が25箇所ありますが、
「マップ端のパネルに配置することが基本」
になります。マップ端とは5×5の場合、R1とR5の行およびC1とC5の列にある計16のパネルのことです。ただし、四隅のパネルに関しては、よく考えた上で配置する必要があります。
これは一見すると「攻撃(索敵)できる範囲が狭くなってしまう」選択であるので、疑問に思われるかもしれません。このような初期配置をする理由は次の「3. 初手の基本方針」の内容と大きく関わっています。なので、細かな説明はそちらですることにしますが、ひとまず理由だけ簡単に述べますと、真ん中(R3C3)を除いたマップの内側のパネルは、相手のいるいないにかかわらず序盤で狙われやすいためです。
3. 初手の基本方針
(現在作成中)
